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市街化調整区域における再建築不可物件

市街化調整区域とは?

市街化調整区域とは、無計画な都市開発によって郊外の自然環境が脅かされるのを防ぐために、高度経済成長期に定められた制度です。市街化調整区域では、原則として都道府県知事による許可がなければ新しく建物を建てることも、古い建物を取り壊して建て替えることもできません。そのため、市街化調整区域内の物件は基本的に再建築不可物件となります。

対照的に、自由に新しく建物を建てたり古い建物を建て替えたりできる地域は「市街化区域」と呼ばれます。市街化区域と市街化調整区域の区別は各自治体が都市計画として定めているため、新しく土地・物件を取得する際には必ず確認するようにしましょう。

市街化調整区域で新しく建物を建てるための条件

市街化調整区域内に新しく建物を建てる場合、都市計画法が定める条件を満たす必要があります。

都市計画法で挙げられている条件は多岐に渡りますが、住宅建築に関係するものだけを抜き出すと次の条件があります。

立地基準とは

自治体によって多少の違いはありますが、主に下記のような基準が設けられています。

  1. 日常生活のため必要な物品の販売等:
    開発行為を行なう区域(開発区域)の周辺地域の居住者の日常生活のため必要な物品の販売、加工、修理等の業務を営む店舗、事業場などのための開発行為
  2. 農林漁業用の建築物:
    市街化調整区域内で生産される農林水産物の処理・加工のため必要な建築物・第1種特定工作物のための開発行為。
  3. 鉱物資源・観光資源の利用など:
    ア 市街化調整区域内に存する鉱物資源、観光資源などの有効利用上必要なもののための開発行為。温度・湿度・空気等について特別の条件を必要として、市街化区域内での建築・建設が困難なもののための開発行為。
    イ 市街化調整区域内の工場施設と密接な関連を有する事業用の建築物・第一種特定工作物
    ウ 火薬庫であって、市街化区域内で建築建設することが不適当なもののための開発行為。
  4. 市街化区域内での建築・建設が困難・不適当なもの:
    市街化区域内の建築・建設が困難不適当なものとして定められる建築物・第一種特定工作物のための開発行為。道路管理施設、休憩所、ガソリンスタンド、火薬類製造所が指定されている。
  5. 地区計画等の区域:
    地区計画または集落地区計画の区域であって、地区整備計画・集落地区整備計画が定められているとき、その計画に即して行なわれる開発行為。
  6. 条例を定めることによって限定的に認めるもの:
    ア 自然的社会的諸条件から市街化区域と一体的な日常生活圏を構成している地域で、おおむね50以上の建築物(市街化区域内を含む)が連たんしている地域のうち条例で指定する区域において行なう開発行為で、環境保全上支障がある用途など条例で定めるもの以外のためのもの。ただし、優良農地、優れた風景のため保全すべき区域、災害発生の恐れがある区域は指定できない。
    イ 開発区域の周辺における市街化を促進するおそれがないと認められ、かつ、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認められる開発行為として、都道府県の条例で、区域、目的又は予定建築物等の用途を限って定められたもの。ただし、優良農地、優れた風景のため保全すべき区域、災害発生の恐れがある区域は指定できない。
  7. 開発審査会の議を経て都道府県知事が個別的に認めるもの:
    都道府県知事が開発審査会の議を経て、開発区域の周辺における市街化を促進する恐れがなく、かつ、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認める開発行為。たとえば、分家住宅、社寺仏閣、地区集会場、有料老人ホーム、優良田園住宅などのための開発行為があり得る。

引用元:三井住友トラスト不動産|開発許可の基準(市街化調整区域内の許可基準)

再建築可能な条件

市街化調整区域内で建て替えをする際の条件には、以下の2つがあります。

市街化調整区域のメリット

市街化調整区域ならではのメリットとしては以下のものがあります。

取得費用が少なくて済む

市街化調整区域内の土地は、市街化区域と比べると価格が非常に安いケースがほとんどです。そのため、市街化調整区域の場合、同じ予算でより広い土地を取得できます。

ただし、市街化調整区域では許可が無ければ建物を新しく建てられないため、土地の取得目的に応じて許可が下りやすい土地を探す必要があります。

周辺環境の豊かさ

市街化調整区域の大部分は周囲を田畑に囲まれているため、周辺環境が豊かで、騒音なども少ないというメリットがあります。自然豊かな場所に住みたい!という場合、市街化調整区域は最適だと言えるでしょう。

税負担を抑えられる

また、税負担を抑えられるのも市街化調整区域ならではのメリットです。

例えば、市街化調整区域内では都市計画税を支払う必要がありません。また、固定資産税は物件の評価額×1.4%が負担額となりますが、市街化調整区域内であれば評価額が市街化区域よりも低くなるため、固定資産税の負担額も少なくなります。

市街化調整区域のデメリット

反対に、市街化調整区域のデメリットとしては以下のものがあります。

建築許可に属人性があるケースがある

一定の条件を満たせば建物を新しく建てることができる市街化調整区域ですが、この許可の一部には属人性があります。例えば、この土地を古くから持っている池田さんだから建築許可が下りた、といったように、特定の個人に対して自治体から許可が降りている場合、属人性があることになります。属人性がある建物は、基本的に売却はできないので注意が必要です。

売却が難しい

新しい建物の建築と古い建物の建て替えに許可が必要で、さらに建築許可に属人性があることから、市街化調整区域は不動産業者にとっても取り扱いが難しく、売却が難しい場合が多く見られます。

生活インフラが引かれていないことがある

周囲を田畑に囲まれていることが多い市街化調整区域では、電気やガスといった生活インフラが引かれていない可能性があります。もしも生活インフラが引かれていない場合、電力会社やガス会社と相談しながら、自分で整備する必要があります。

自治体の助成金を受けられない可能性がある

市街化調整区域は、自治体が都市計画を積極的に進めないエリアです。そのため、特に住宅に関する助成金の場合、助成金の対象から外されるケースがあります。

市街化調整区域の土地の活用方法

新築と建て替えに制限のある市街化調整区域ですが、「駐車場」「太陽光発電」「資材置き場」に利用する場合、許可を申請する必要はありません。

市街化調整区域内の土地を持て余しているという場合は、これらの目的で活用することを検討すると良いでしょう。

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2003年 4回 
(東京都知事(4)
第82776号)
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再建築不可.net

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2004年 4回
(東京都知事(4)
第84482号)
要問合せ