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立ち退きしてくれない物件

アパートなどを一棟まるごと売却する場合には、入居者の立ち退きが必要となります。立ち退きをしてくれない物件の売却方法や対処法について見ていきましょう。

立ち退きをしてもらうまでの流れ

入居者に立ち退きを求める場合には、以下のような流れが一般的となります。

  1. 立ち退きの理由を入居者に説明する
  2. 立ち退き料の交渉を進める
  3. 退去に向けた手続きを行う
  4. アパートを売却する

まずは立ち退き理由を書面で入居者に伝え、書面の送付後には入居者一人ひとりに直接説明して、納得してもらいましょう。入居者には立ち退きを断るという選択肢もありますから、少しでも理解を得られるよう、丁寧に対応しましょう。

説明の後には、引っ越し先の初期費用や引っ越し業者の手配といった入居者の費用負担が発生するため、速やかに応じて貰えるように立ち退き料を提案します。引っ越し先の敷金・礼金・前払い家賃に加えて、引っ越し費用なども含めた立ち退き料が必要です。

立ち退き料の交渉がまとまり次第、退去に向けた手続きを始めます。契約解除の手続きを行い、入居者が気持ちよく退去できるように原状回復費用を免除して敷金を返還するなどの工夫もよく用いられます。

入居者が退去した後は、いよいよアパートを売却します。

立ち退きしてくれない物件の売却方法

どうしても立ち退き交渉が上手くいかなかった場合は、売却後の買主に立ち退き交渉を任せるという方法もあります。売主は立ち退き交渉にかかる負担を軽減できる一方で、売却価格の減額交渉を受けるなど、買主へのメリットを調整する必要が出てきます。

ただし、基本的にはアパートを売却する際は一人残らず退去させることが必要です。

もしどうしても立ち退きに応じてくれない場合は…?

入居者が立ち退きに応じてくれないと、どんどん売り時を逃してしまいます。立ち退き料を上乗せするなどして、入居者が立ち退きにメリットを感じられるよう工夫する必要があるでしょう。

定期借家契約の場合には、契約した時点で契約期限が定められているため、期間満了後も住み続ける場合には入居者側に非があります。退去の最低6か月前までに通告をしておき、その上で尚立ち退きを拒否する場合には「異議申し立て」を行うことができます。

普通借家契約の場合には、2年ごとに契約が更新されるのが一般的です。この契約では入居者の権利が守られており、入居者が希望する限りは契約の更新が可能となります。ただしオーナーが契約の更新を希望せず立ち退きを希望しているのに出ていってくれない場合には、期間満了後に正当事由を明確化させた上で異議申し立てを行うのが良いでしょう。

最終手段として、「建物明渡請求訴訟」を裁判所に提訴する方法があります。オーナーと入居者が出廷し、立ち退き条件の話し合いを進めます。和解すれば和解調書の、判決が下された場合には確定判決の内容に従い、確定判決がある場合は期日までに退去しないと強制執行が行われます。

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